最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は20日、住宅被害が3万棟を超えたと発表した。被害が大きい輪島市と珠洲市は全容がわかっておらず、ほとんどが集計に含まれていないため、今後さらに増えることは確実だ。被災地では応急仮設住宅の着工が進むものの、土地や業者の不足が課題となっている。
この日、馳浩知事は穴水町と能登町の被災地を視察。記者団の取材に「(断水が続く)水と仮設住宅(の着工)を何としても急がないといけない」と述べた。住宅被害については「数字の確定は、市町に急いでもらっている。仮設がどれだけ必要になるのか、他のインフラ整備にも直結することだ」と語った。
県によると、20日午後2時時点の住宅被害は3万1670棟。「多数」とされていた輪島市が870棟と初めて実数を出すなど、前日より1774棟増えた。珠洲市は「多数」のままだ。
応急仮設住宅については、輪島市(76戸)、珠洲市(90戸)、能登町(66戸)、穴水町(15戸)で計247戸が着工済み。20日には穴水町と七尾市で計91戸が着工した。
だが、仮設住宅の入居応募は多く、必要数に追いついていない。馳知事は「土地が決まっても、業者が限られている」と説明する。現在は奥能登まで数時間かかる金沢に宿泊している作業員が多く、移動時間を短縮するため、宿舎や物資輸送の中継点を設ける考えだ。
石川県の発表では20日午後2時現在、死者は前日と同じ232人。地震のためとは断定できないが連絡がとれない安否不明者は、計22人となっている。(朝倉義統、伊藤智章)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル